お店をはじめて半年

傘を差したら飛べるんじゃないかと思うほど勢いの強かった台風が過ぎ去った9月9日。おかげさまでトドブックスはオープンして半年になりました。


達成感なるものはあるような、ないようなですが、なにより感謝の気持ちが大きいです。

毎日助けてもらってばかりだと思うのです。良くしてもらってばかりだし、教えてもらってばかり。

自分は素敵な方々に囲まれていて。うちのお店に来てくれる方は優しい方がほんとに多いし、SNSで応援してくれる方も、日ごろ一緒にお酒をのんだり、仕事の話をしたりたわいもない話をしたりする人たちもみんな優しくて格好いい。

いっぱい与えてもらっている。

だからぼくも早くもっと力をつけて、色んな経験をして、与えられるものが多くなりたいと思えます。ありがたいことです。


お店をはじめたきっかけは、いま思うとただアイデンティティが欲しかっただけなのかもしれません。

けれど、丁寧とはいえずも真剣な毎日を積み重ねるうちに、もう自分のためだけに生きるフェーズは終わるのかなって最近思いました。自分のためが誰かのためにもなることを認めてもいいのかなって。

ありがたいことにちょくちょくといただくお礼のメールに返信をするたび、もっと届けられる価値を大きくしたいと思います。

ブックカバーの折り方も、本の仕入れ方も、領収書の書き方も、写真の撮り方もわからずズタボロな精神状態ではじめた半年前よりは着実に良いものが出来ています、当たり前なのですが。

いまはバーの一角を間借りしてお店を営んでいますが、来年には店舗を借りて出来ることを増やす予定です。ようやく成人したのでスナックの跡地とかで少しお酒を出すなどしたいです。


ぼくがやりたいことは”疲れたら熱海いくか”な雰囲気をつくることで、それを成せる環境をつくること。張っていた肩ひじが少しだけゆるむ空間をつくること。今日も悪くないと思える本との出会いを届けること。

バリバリ仕事や勉強をして生活もして、充実した毎日を過ごしていてもやっぱり、「最近疲れてきたかな」「ここじゃないどこかに行きたい」って思う瞬間があったりします。もちろんそう思うのは毎日が充実しているおかげなのですが。

そんなときの日常と非日常の間のようなポジションで居たいのです。

生きやすいといえば生きやすいけれど、生きづらさも十二分に感じる社会にはそういう場所が大切なはずだから。

これからも適度にサボりながら日々精進していきますので、トドブックスをどうぞよろしくお願い致します。

いつもありがとうございます。


2019.9.20 トドブックス代表 村松徳馬