トドブックス移転と休業のお知らせ

ついに年が明けたと思えば一月の終わるころとなりました。 アツアツのおでんやお鍋で心をほくほくさせたい日々が続いております。

近ごろ世界はリアルバイオハザードのような状況になりつつあり、心はすこし落ち着かない状態かもしれません。

楽しいことも面倒なこともある毎日ですが、2020年もみなさまとトドブックスにとってよい年になることを願うばかりです。


さっそく本題なのですが、トドブックスは3月9日をもちまして熱海のお店を閉めさせていただき、東京へ移転をすることにいたしました

熱海ではカフェバーの一角を間借りして運営しておりましたが、東京では間借りではなく物件を借りて置ける本の冊数も増やします。

少々急な休業のお伝えとなってしまい申し訳ありません。熱海での営業はあと1ヶ月ほど。オープンしてからちょうど1年が経つ3月9日までとさせてくださいませ。

そのあと準備期間を経て、秋ごろに東京でのオープンを予定しています。場所や物件などはまだ未定なのですが、徐々に見つけていきます。

まだまだ至らない点は山のようにあることと存じておりますが、いい作品をいい空間をつくろうと日々考えておりますので、よろしければ引き続きトドブックスを何卒よろしくお願いいたします。

そして、3000字ほどの文字量はあるのですが、ぼくの本屋に対する想いなどを正直に書きましたので、お読みいただけたりすると嬉しく思います。


心境の変化のこと

自分が本屋をはじめた動機などは、以前もブログに書かせていただいていて。最初はどこまでもゆるぎなく自分のためでした。

生きる上で不都合だった自己肯定感の低さや人見知りを改善するためだったり、出会いたい人に出会うためだったり、つくりたい作品をつくるためにちょうどよかったから。

生き物は最終的に自分の幸福のためにしか行動ができないにしても、いささか自分のことしか見えていない状態でした。憎しみと自分にないものを欲する気持ちで心は精一杯。

それが色々な方に助けられて支えられて、ようやく誰かに喜んでもらえるのが嬉しいことだと思えるようになったのが2019年の暮れでした。

心境の変化をわかりやすくお伝えできるとすると、ワンピースのチョッパーがDr.ヒルルクたちとの関わりのなかで起きる心境の変化とたぶん似たようなかんじ。

やっぱり仕事なるものは、最終的に誰かを笑顔にするものだと考えているので、憎しみとか負の気持ちを抱えたまま、本気でいい仕事はできない可能性が高い気がしています。

ようやく十何年と抱え込んできたドロドロしたものがとれて、自分のなかでいいものがつくれるかもしれないと思えたので、

自身の成長のためにもいったん熱海を離れて、よりいいものをつくって、より多くの方に価値を届けるために東京でお店を構えることにしました

熱海は日本中まわって唯一住みたいと思った街で、いまも変わらず好きなのですが、年齢的(20歳)になにかをつくるなら情報量や環境を加味して東京に行くことにしました。


自分の指針

正直なところ、ぼくはそこまで本が好きではないです。

ほかにも面白いものはたくさんあるし。

それでも本屋を続けているのは、自分が本を使って表現できるものがあるとなんとなくかんじているからです。

ぼくはいい作品をつくりたいんです

自分がかっこいいと信じて、世の中がこうであったら素敵だと願う気持ちを体現したいんです。

欲をいえば、それが少しでも多くの方にも魅力的だとかんじてもらえたらこの上なく幸せです。


けれども、いい作品なんてそう簡単にできるものではないじゃないですか。何十年とかかることはふつうだし、一生かけてもできないこともよくあるのだと思います。

自分の作品を評価されることは恐怖でしかないし、しんどいことだらけだったりして。というかちょーしんどい。

嫌なことつらいこといっぱいあるのに、なんで自分はこんな生き方を選んだのだろうとふと我に返るときもあります。

そうだとしても、たとえつらいとしても自分が考えたかっこよさに従って生きたいし、かっこいいと信じるものをつくりたい気持ちだけがずっと消えませんでした。

それが”自分の軸”なのだと、20歳になって自覚しました。

もちろん、仮定がはずれていることも、この先変化することもあるかもしれませんが。


本屋の続きには

これをおおやけに書くのははじめてなのですが、最終的には料理の世界で活動したいと考えています。

小さいころからずっと料理はしていたのですが、なんというか自分にとって大切すぎて、仕事にはしたくないと無意識のうちにさけていました。

料理の会話もほんとに料理が好きでその道にお詳しい方と以外なるべく話したくなかったので、友人にもあまり言っていなかったです(だから今回こうやってブログに書くのは思い切りました)。

一回お金をいただいて料理を出す機会をいただいたことがあったのですが、まったく納得のいくものがつくれなくて、ひとりのときは悔しくて悔しくて食事がのどを通らないし食べたら食べたで吐いていました。

あのときのお客さまには一生、満足のいくものを出せなくてごめんなさい、きっかけをくれてありがとうとかんじています。

そのときはまったく気が付かなかったのですが、それほどまでに悔しかったのは生まれてはじめてでした。

嫌すぎて最近まで忘れていたのですが、悔しいってことは真剣ってことなのだと気が付いて、自分のなかに吐き続けるほどに真剣に打ち込めるものがあったことに驚きました

驚きはしたものの、そんな悔しさに潰れてしまいそうな仕事をするのは、こわすぎて嫌でした。それに耐えられるメンタルも持ち合わせていませんでしたし。

けれども、精神的にも成長できて、納得のいくものをつくれないほうが億倍嫌だと先日気が付きました。

なので、今年からTODOBOOKSをブックバーのようにしてを3年ほどいまよりも喜んでいただける価値を増やしながら、自分のちっぽけなプライドをへし折られて限界を知ったのち、料理の修行に入ろうといまの段階では予定しています。

30代前半ですこし納得のいく料理と空間をつくり上げたいです。

舐めていると思われてしまうかもしれませんが、星をいただけるような魅力的なものをつくる気でいます(ぼくは軽口をたたいているときは調子がいいときなので大目に見ていただけると助かります)。

かっこいい作品をつくるためには高い技術が当たり前に必要で。でも技術だけでは不十分で、それを持てあまさない充実した心と身体が必要不可欠だとも思っていて。

昔、技術よりも考え方の方が実は重要度が高いと教わりました。

17歳のころに、自分がなにをしたいのかちゃんとはわからなかったけれど、見聞を広めたり教養を知ったりして心と身体を充実させようと意気込みました。

そのための旅する生活や本屋の開業でした。ほかにも色んなことをしました。本屋をやっていたおかげで得られた知識や出会えた素敵な方がいっぱいです。

だからぼくにとって本屋はこの先なにかをつくるための土台であり、絵を描くときの筆のようなものです。本屋という筆を使って描きたい絵があるかんじの。

そして時間が経つごとに描きたいものも、描く道具もかわることを知ったので、いまは本屋をしていても、描くための道具も描きたいものも変化するのだと思います。


つくるときのテーマのような

それでもなお、自分がなにかをつくるときに譲れない思想(テーマ)のようなものが「あわい(間)」です

これはもう性癖とかフェティシズムのようなどうにもできない自分の一部です。そこに美しさや魅力を見出しています。


「あわい(間)」を解釈しようと言葉で定義づけをしたり他の言葉に置き換えると、余白だったり交差点だったり、絶妙とか汽水域という表現を用いることができるかもしれません。

自分が大切にしているテーマではあるのですが、どうしても言葉による説明ができません。

いまはまだインプットや整理が不足していてできないのかもしれないし、そもそも言葉にはできないものなのかもしれないし、したくないのかもしれません。

焦って言葉で伝えようとしても、上手くいかない気がするので、いまはニュアンスで伝わっていただける方にお伝えできたらと思います。

東京でやるときは、気持ちのいい言葉でコンセプトを表現してみます。


さいごに

うえに書いたように、なんかもうほんとに自分がつくりたいものをつくるためにトドブックスをやっています。

若い人に本を読んでほしいとか、本が大好きで本の未来を憂いてとか、正直なところないです。


でもかっこいいものをつくりたいです。

なので、ぼくとぼくがつくるものに僅かでも魅力をかんじていただけたら、幸せです。

いつもありがとうございます。

よろしれば、これからも村松徳馬とトドブックスをよろしくお願いいたします。

お店の進捗状況などは随時SNSにて更新いたします。


追記: 一緒に制作チームを組みませんか、というお誘いです

東京で運営する際には、TODOBOOKSで制作チーム(最終決定権や責任は村松がもち、基本的に成果報酬スタイルでお互いがプラスになる部分を一緒に働けるような)を組んでお店に立ったり制作を行う予定です。

いまふたりほどメンバーが決まっていて、あと

・フリーでデザインなどのお仕事をされている女性の方

・書店の経営や本周りのお仕事をされたい方

を探しています。

イベントフライヤーの制作や、SNSでの発信時の細々したデザイン、メニュー制作、ZINEなどの制作を一緒にしていただける方がいてくださるととても心強いです。

やっぱり気持ちよくお仕事をしたくて、性格のバランスだったりお互いの価値観や方向性を大切に考えているのでガンガンお声かけはできないのですが、もし興味をお持ちいただけたらSNSなどでご連絡をいただけると嬉しいです。


2020.1.27 トドブックス代表 村松徳馬

写真は昨年行ったトドブックス×飯塚麻美 POP UP SHOPの際に撮り下ろしていただいたもの。